※ 学生の学年は,2025 年度の情報になります。
紹介してくれる学生の一覧
川口 竜斉(大学院理工学研究科 情報工学専攻・博士前期課程1年)
情報工学課程では、論理的思考・創造力・実装力をバランスよく育てる環境が整っています。私はもともとゲーム制作に強い関心がありましたが、独学だけでは限界を感じ、コンピュータサイエンスを体系的に学びたいという思いからこの課程を選びました。ソフトウェアだけでなく、ハードウェアやロボットにも興味があり、機械が「どう動くのか」を根本から理解したいという気持ちも、進学の大きな動機になりました。
授業では、理論と実践の両方を重視した学びが展開されます。たとえば「コンパイラ」の授業では、C言語で自作のコンパイラを一から構築しました。自分で書いたCプログラムを、自分が作ったコンパイラで動かすという体験は大きな達成感につながり、プログラムの裏側の仕組みまで理解できるようになりました。一方で、プログラムの構造を整理しながら設計・実装する難しさも経験し、それを乗り越えることで実力がついたと感じています。
「エンタテインメントコンピューティング」の授業では、ゲームやアートなどの作品を制作するだけでなく、「ユーザの心をどう動かすか」といった表現の意図を言語化し、論理的に伝える力が求められました。企画書・プレゼン・プロトタイピングなどを通じて、自分のアイデアを他者にわかりやすく伝える技術が磨かれました。
このような学びを通じて、私は高校生の頃には越えられなかった「自信の壁」を乗り越え、論文投稿や発表などを通じて、自分の考えをかたちにし、人に伝える力を伸ばすことができました。研究では、ユーザの言葉や感性をもとに音楽を自動生成・編集する「Grazia Piano Tuner」の開発に取り組んでいます。音楽の雰囲気をスライダーで調整したり、「ジャズっぽくして」などの自然言語で楽曲を変えたりできるインタラクティブなシステムです。AIや大規模言語モデル(LLM)の力も借りながら、人とコンピュータが一緒に音楽をつくる未来を探っています。
情報工学課程では、C/C++、Pythonなどのプログラミング言語、アルゴリズム、数理論理、グラフ理論、感性情報処理まで、幅広く深く学べるカリキュラムが用意されています。特定分野に偏ることなく、総合的に「ものづくり」や「情報の本質」を考えられるようになるのが大きな特長です。
さらに、教員や研究室との距離が非常に近いのも魅力です。1年生から研究室訪問ができ、相談や雑談を通じて早くから研究に触れることができます。私も研究室で先生や仲間と議論を重ねながら、アイデアを深めたり、実装に取り組んだりしています。「楽しさとは何か?」といった哲学的な話題で盛り上がることもある、自由で刺激的な雰囲気があります。
この課程で得た知識と経験は、将来、どの道に進んでも活かせると思います。私は大学院博士課程に進学し、音楽などの時系列データの制御についてさらに研究を深めた後、ゲームや音楽関連の開発職に就くことを目指しています。
「つくること」と「伝えること」の両方を大切にしたい人にとって、情報工学課程は最高の環境です。
栃下 藤之(大学院理工学研究科 情報工学専攻・博士前期課程1年)
情報工学課程では、自分の関心や適性を広げながら、多様な情報分野を理論と実践の両面から学べる環境が整っています。私は小学生の頃からパソコンに親しみ、中学生のころには情報系への興味が芽生えていました。本格的に進路を考え始めた高校2年のとき、数学的な理論にも触れながら、情報やプログラミングを深く学べる場所として、関西学院大学の情報工学課程を選びました。
この課程では、AI・機械学習・感性工学・最適化・音楽情報処理など、学びの幅が非常に広いことが魅力です。中でも印象に残っているのが、「感性工学」や「音楽情報処理」の授業や研究です。人間の感性や脳の働きと情報技術を結びつける内容はとても新鮮で、学びがいがあります。また、最適化理論や数理計画法の授業では、現実の問題をどう数式でモデル化し、最適な解を導くかというアプローチを学び、卒業研究にも大きく活かすことができました。
私は現在、「箏(こと)演奏の自動採譜」に関する研究を行っています。日本の伝統楽器である箏の音は、余韻や揺れ、独特な奏法により分析が難しく、信号処理と機械学習の両面から音を解析する必要があります。単純な奏法では高精度の自動採譜が可能になりましたが、今後は和音や複雑な奏法への対応、映像や楽曲構造を用いた多角的な解析にも挑戦する予定です。音楽理論と工学技術の両方を活かしながら、より豊かな音楽理解を目指す研究です。
情報工学課程の良さは、学問的な自由度とサポートのバランスにもあります。学生が主体的に学べる“よい意味での放任主義”がありながら、困ったときには手を差し伸べてくれる先生や仲間がいます。教員は多様な個性と専門を持ち、気軽に質問や相談ができる環境が整っていて、自分に合った指導教員が見つかるのも大きな魅力です。
また、学びと日常生活との両立も可能です。私自身は学生団体の代表を務めながら、実習やアルバイトとも両立してきました。忙しい時期もありましたが、それも含めてよい経験となり、人前で話す力や、リーダーとして人をまとめる力がついたと感じています。
将来は、大学院修了後にIT系を含む幅広い業界で、情報技術を活かして働くことを考えています。
情報工学課程は、明確な目標がある人はもちろん、まだ自分の得意や興味がわからない人にとっても、可能性を広げてくれる場所です。
川瀬 佳太 (情報工学課程・4年)
情報工学課程では、コンピュータと情報技術を活用して、現実社会の課題を論理的に分析し、解決へ導く力 を身につけることができます。私自身、プログラミングを通じて、問題の原因を見つけ出し、検証・改善できることに魅力を感じてこの課程を選びました。また、セキュリティの問題にも関心があり、「安心して使えるインターネット環境を自分でつくりたい」と考えたことも動機のひとつです。
授業では、たとえば「データマイニング」で数式の背後にある理論や目的を掘り下げ、「計算論」ではチューリングマシンや NP 完全性など、情報処理の基礎概念をじっくり学びました。これらは抽象的でありながら、実際の研究やアルゴリズム設計に直結する知識です。また、「ネットワークコンピューティング実習」では、遅延耐性ネットワークのシミュレーションプログラムに改良を加える課題に取り組みました。研究に近い体験を通じて、問題を見つけ、改善し、再検証するという一連のプロセスの中で、考察力や問題解決力が大きく鍛えられました。
情報工学課程では、通信、AI、画像処理、音楽情報処理など多様な分野に触れられるため、自分に合った興味を見つけやすく、学びの視野が広がる環境が整っています。さらに、教員との距離が近く、研究室に配属された後も密に連携できるため、自分のアイデアをすぐに相談しながら形にしていくことができます。
この課程で得た幅広い知識と論理的思考力は、将来たとえ異なる分野に進んだとしても、柔軟に対応できる土台となります。社会の課題に対して、技術と論理で挑戦したい人に、ぜひおすすめしたい課程です。
伊東 直哉(情報工学課程・3年)
情報工学課程では、AI やデータ分析をはじめとする先進的な情報技術を理論と実践の両面から学べる環境が整っています。私は関学高等部出身で、高校時代に受講した「AI活用」の講座をきっかけに、この分野の可能性に惹かれました。「AIってすごい、自分も学んでみたい」と思ったのが、進学の原点です。
特に印象に残っているのは「データマイニング」の授業です。機械学習の数式的な理解はできても、イメージがつかみにくかった内容を、イメージ重視の解説を通じて直感的に理解できたことが大きな学びでした。また、講義と連携して「データマイニング実習」も行われ、学んだことをすぐに試せるカリキュラムになっている点も魅力です。初めて本格的なデータ分析に挑戦する中で、目的設定の難しさやデータ収集の奥深さにも気づき、大きな成長を実感しました。
情報工学課程では、知識だけでなく考える力・伝える力も鍛えられます。私は大学に入ってから、「なぜこの手法で解けるのか?」「なぜこの仕組みは動くのか?」と原理を深く掘り下げる姿勢が自然と身につきました。高校までの“暗記型”から、“理解して使いこなす”学びへの転換ができたことは、今後どんな分野に進んでも大きな力になると思います。
また、プログラミングも入学前は未経験でしたが、課題や実習を通じて知識が定着し、少しずつ実行力もついてきたと感じています。部活(フットサル)やアルバイトとも両立しながら、忙しい毎日の中で努力を重ねること自体が、将来への訓練にもなっていると考えています。
教員との距離が近いのもこの課程の特長です。特に「頑張ろうとしている学生」に対しては、先生方が真摯に向き合い、できるようになるまでサポートしてくれる雰囲気があります。私自身、何度もその姿勢に助けられてきました。
将来は大学院への進学を希望しています。まだまだ学びたいことがあり、今はとにかく知的好奇心が止まりません。将来的には AI や感性工学、スポーツとの融合など、新しい分野にも挑戦してみたいと思っています。
情報工学課程では、知識や技術の習得に加えて、「なぜ?」と考える力や、難しい内容を言葉にして人に伝える力も育てることができます。それは、研究だけでなく社会に出た後のあらゆる場面で役立つはずです。
また、「マルチプルメジャー制度」など、学びの幅を広げる仕組みも充実しています。自分の好奇心に従って、さまざまな分野にチャレンジできる柔軟な環境がここにはあります。
AI や IT、そして未来を支える技術を本気で学びたい人にとって、情報工学課程は最適な学びの場です。
川瀬 麗奈(情報工学課程・3年)
私が情報工学課程を選んだきっかけは、高校時代に通ったプログラミング教室で、その面白さや奥深さに触れたことです。初めは「将来はプログラマーに」と思っていましたが、大学での学びを通じて、今ではユーザーの課題を理解し、技術で解決へ導くソリューションエンジニアという仕事にも関心を持つようになりました。
情報工学課程では、プログラミングやネットワーク、アルゴリズムといった基礎知識に加え、「どうすればもっと便利になるか?」「この技術は社会の中でどう活かせるか?」といった応用的な視点も養うことができます。たとえば「最適化理論」では、動的計画法や分割統治法などを学び、実際の問題をどう定式化し、効率的に解決するかを考える力が身につきました。
「ネットワーク実習」では、Webアプリケーションの仕組みや設計を学びました。この実習を通じて得た知識を活かし、実際に役立つ Web アプリを自作することができた経験は、大きな自信と達成感につながりました。また、「数理計画法」の授業では、自ら課題を設定し、解決策を数理モデルとして提案するなど、ミニ研究のような体験もでき、非常に充実していました。
情報工学課程の雰囲気はとても良く、積極的に挑戦する仲間に囲まれて日々刺激を受けています。女子が少ない環境に最初は不安もありましたが、先生方も学生も皆優しく、安心して学べる環境が整っており、今では居心地の良さを感じています。教授との距離も近く、質問や相談にも丁寧に応じてくださるため、安心して学びを深めることができます。
将来は、技術を活かして人や社会の課題を解決する仕事に携わりたいと考えています。大学院進学も視野に入れており、さらに専門性を高めながら、自分の可能性を広げていきたいと思っています。情報工学課程での学びは、確かな技術力だけでなく、実践力や思考力も鍛えられる貴重な経験の連続です。