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関西学院大学 情報工学課程

人工知能基礎研究室

 

  • 数理論理学
  • 議論システム
  • 人工知能
  • 嘘発見

あれ?本当に?どうも,つじつまが合わないぞ?人のウソを見抜くには?!

容疑者を問いただす警官とアリバイを主張する容疑者.さて,どうしたらアリバイを崩せるでしょう?

人工知能基礎研究室では・・・

人間の知的な行動をコンピュータで実現.
論理や代数を使って,人間が行う知的な振舞いをコンピュータにさせる仕組みをつくることをめざしている.こうした研究は,建物の中で禁煙エリアと喫煙エリアの分離方法,省略地図を用いた避難経路ナビゲーション,電車やエレベータなどの制御システムの安全性の検証,渋滞の緩和を促すシステムの開発など,幅広い題材に応用できる.(担当教員:高橋和子教授)

例えば,こんな研究も行います・・・

どうして嘘がばれてしまうのか,その原因を論理を使って探る.

人は時として嘘をつきますが,嘘がばれてしまうこともあります.では,どうして嘘はばれてしまうのでしょうか.嘘の内容や状況によっても異なりますが,一般的には2つの原因に大別できます.1つは,嘘をつく人の目が泳ぐ,汗をかくといった身体反応,もう1つは,嘘をつく相手の言ったことの中で生じる矛盾です.
現在,私たちが研究している「議論システム」では後者の原因のみを対象としており,「ばれない嘘の条件」を満たすようなアルゴリズム(処理手順)を提案しています.これは,逆に嘘を見破る方法にもつながります.すでに裁判員制度がスタートしており,あなたも裁判員に選ばれて議論に参加する機会があるかもしれません.そんなとき,あなたは嘘を見破ることができますか?

この会話の流れを追っていくことで,犯人の発言の論理的矛盾を発見.

例えば,犯人と警官の対話を見てみましょう.
犯人-1: 私は殺していない.証拠がないじゃないか.
警官-1: 証拠ならある.殺人現場にあなたの免許証が落ちていた.
犯人-2: 免許証は盗まれたんだ.だからそれは証拠にはならないよ.
警官-2: いや,あなたが殺した.犯行時刻に現場付近にいたのはあなただけなんだから.
犯人-3: そんな場所には行ってないって.その時間は図書館にいたんだ.
警官-3: それは不可能だ.図書館には免許証がなければ入れないが,あなたは免許証を盗まれていたはずだ.

想定外の会話の流れになることで墓穴を掘ってしまった犯人.

対話する前,警官は免許証紛失のことを知らなかったので,最後の発言(警官-3)は考えていませんでした.しかし,犯人が自分で教えてしまった(犯人-2)ために,嘘がばれたのです.
この議論システムは数理論理学に基づいてつくられています.議論は一種のゲームとみなされ,相手の出した札をみて次の手を考えるカードゲームともかかわりがあります.ゲームやパズルをどう解こうかと考える楽しさ,解けた瞬間の爽快感を味わうことができる研究です.



形の特徴を定性的にとらえて推論

~人間の目は単純な球体からどうやって形成されるかを説明できる?~

生物の器官形成過程では,細胞シートで覆われた一つの球体から,目,耳,内臓など様々な臓器や器官が作られていきます.このような臓器形成は,へこむ,接する,分断する,といった単純な動きの繰り返しによって行われています.私はこの単純な動きと,臓器の形の特徴を,具体的な数字を使わず抽象的に表現できるような記号(言語)を考えています.目的は,複雑な形状の臓器がどのようにして作られたのか,どんな形状の変化が考えられるかが直観的にわかりやすく,また,論理的な説明をつけることです.
この研究では,図(絵)と記号(言語)をきちんと対応させるための数学な証明をしているときがとても楽しいです.また,自分で一種の言語を作り出しているという点が非常におもしろいと感じます.

東末 桃 大学院情報科学専攻2年生


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