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KITAMURA LABORATORY
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北村研究室では人工知能(エージェント)技術,ネットワーク(Web)技術,インタフェース(キャラクタ)技術を融合したインターネットエージェントに関する研究を行っています.

説得エージェント(科研費基盤研究「マルチモーダル説得エージェントに関する研究」,2009-2013)

電子ショッピングなどWebは消費者に情報を提供する手段として重要な位置を占めている.われわれは単に情報を提供するだけでなく,より積極的に商品を売り込むような説得エージェントの開発を目指している.

説得のための対話学習エージェント

対話学習エージェントは当初,人間が説得する様子を観察し,その過程を学習する.その後,徐々に説得に加わることにより,人間の負担を減らす.左の図ではユーザの入力に対し,エージェントが返答候補を示している.

Maiko Kawasoe, Tatsuya Narita, Yasuhiko Kitamura: Using the Wizard of Oz Method to Train Persuasive Agents, Cooperative Information Agents XII, Lecture Notes in Artificial Intelligence 5180, Springer, 177-190, 2008.
Tatsuya Narita and Yasuhiko Kitamura. Persuasive Conversational Agent with Persuasion Tactics, Persuasive Technology, Lecture Notes in Computer Science 6137, Springer, 15-26, 2010.

マルチエージェント説得に関する研究

バランス理論は複数の人間関係を解析する手段の一つであり,人間はバランスを保つように人間関係を維持しようとする傾向がある.われわれは複数のエージェントが関わる説得の状況で,人間・エージェント間の選好関係が説得にどのような効果をもたらすかを明らかにする.

Katsunori Kadowaki, Kazuki Kobayashi, Yasuhiko Kitamura: Influence of Social Relationships on Multiagent Persuasion, 7th International Conference on Automous Agents and Multiagent Systems, 1221-1224, 2008.
門脇克典,小林一樹,北村泰彦.マルチエージェント説得における社会的均衡関係の影響, コンピュータソフトウェア, 26(4):173-180, 2009.

話速可変文字対話における引き込み現象

引き込み現象とは,円滑なコミュニケーションをする2者間で,瞬きの回数やジェスチャーなど,表出する情報が互いに同調していく現象である.本研究では,このよ うな引き込み現象が,チャットなどの文字対話においても表出するのか検証している.そのために,メッセージの表示速度を変化さ せることで発話速度を体感できるシステムとして発話速度反映型チャットシステムを開発した.

デモ(64KB)

金城郁子,北村泰彦.チャットシステムにおけるタイプ速度の引き込み現象,FIT2006情報科学技術レターズ,LK-003, 2006.
Ikuko Kanashiro, Kazuki Kobayashi, and Yasuhiko Kitamura. Entrainment in Human-Agent Text Communication, Agent Computing and Multi-Agent Systems, Lecture Notes in Artificial Intelligence 5044, Springer, 268-277, 2009.

言語グリッド

言語グリッドはインターネット上に存在する様々な言語資源をWebサービスとして利用可能にするプラットフォームである.われわれは言語グリッドを利用した異文化コラボレーションを支援するシステムの開発を目指している.

防災協働学習のための異文化コラボレーション支援システムCoSMOS

近年,情報通信技術の発展により,インターネット経由による異文化コラボレーションが可能になった.このような活動における最大の壁は言語の違いであり,母国語を用いてコミュニケーションするには機械翻訳などの言語支援が必要である.われわれははJEARNが推進するプロジェクト「防災世界子ども会議」を支援するために,災害安全マップと機械翻訳を介した異文化コラボレーションシステムCoSMOS (Collaborative Safety Map on Open System)を開発した.CoSMOSでは世界中の子どもたちが作った災害安全マップの高精細デジタル化,GoogleMapの世界地図上への配置,災害安全マップへの付箋貼り付けと機械翻訳を用いた多言語化を実現した.

CoSMOSホームページ

Yoshiyasu Ikeda, Yosuke Yoshioka, and Yasuhiko Kitamura. Intercultural Collaboration Support System Using Disaster Safety Map and Machine Translation, Culture and Computing, Lecture Notes in Computer Science 6259, Springer, 100-112, 2010.

n-gramに基づく多言語医療用例検索システムの開発(総務省戦略的情報通信研究開発推進制度地域ICT振興型研究開発「多言語共生社会における医療対話支援のための多言語対話用例プラットフォームの構築」研究分担,2008-2009)

外国人を対象とした多言語医療通訳支援を目的として多数の医療用例対訳が収集されている.用例対訳を検索する場合に,従来のキーワード検索手法は,検索の絞り込みや用例表現のゆらぎに関して問題がある.そこで本研究ではN-gram を用いた類似度計算に基づく用例検索手法を提案し,その有効性を示す.本手法は,入力された検索文が新たな用例として活用できるという利点も備えている.

田淵裕章,坂本廣,北村泰彦.N-gramに基づく用例対訳検索手法,電子情報通信学会技術研究報告,AI2008-52, 2009.

機械翻訳システムのためのガイド入力インタフェースの開発

機械翻訳システムの出力の質は入力文に大きく依存する.われわれは過去に翻訳に成功した文例をもとに,利用者の入力文作成を支援するガイド入力インタフェースを開発している.ガイド入力インタフェースは携帯電話の予測入力機能のように,翻訳に成功する可能性の高い文節を利用者に提示する.

岸田章,間瀬心博,北村泰彦.協調型機械翻訳システムのためのガイド入力インタフェースの開発, 電子情報通信学会論文誌,J92-D(6):729-738, 2009.

子ども向け機械翻訳システムの開発(関西学院大学総合教育研究室「多言語機械翻訳システムを利用した国際的教育支援に関する研究」代表者:北村泰彦,2008-2009)

現在の機械翻訳システムは英語はもちろんのこと,漢字も十分に理解できない子どもたちが利用することは難しい.われわれはカナ漢字変換Webアービスと日英翻訳Webサービスを連携させることで,ひらがなで入力可能な子ども向け機械翻訳システムの開発を行っている.

Masafumi Matsuda and Yasuhiko Kitamura. Development of Machine Translation System for Japanese Children, Proceedings of ACM Workshop on Intercultural Collaboration, 269-271, 2009.

国連ボランティア向けコミュニケーションツールの開発(関西学院大学総合教育研究室「多言語機械翻訳システムを利用した国際的教育支援に関する研究」代表者:北村泰彦,2008-2009)

関西学院大学は国連情報技術サービスに参画し,毎年発展途上国にボランティア学生を派遣している.このような学生の現地でのコミュニケーションを支援するためのツールを開発している.オフラインでも利用可能なように,本システムでは対話用例を携帯端末に蓄積し,検索・表示可能にしている.

Yoshiyasu Ikeda and Yasuhiko Kitamura. Development of Cross-Cultural Communication Tool for Japanese UN Volunteers, Proceedings of ACM Workshop on Intercultural Collaboration, 245-248, 2009.

携帯型多言語テキスト画像翻訳システムPicTrans

海外旅行中は,レストランのメニュー,サービスの説明,ホテルの注意書きなど様々な外国語表記に出くわすことになるが,中には意味の分からない単語や文章も多く,困惑するケースが少なくない.そこでわれわれは,インターネット上のWeb サービスを利用した,カメラ付き携帯電話上での多言語対応テキスト画像翻訳システムを開発した.OCR モジュールや機械翻訳モジュールにWeb サービス化された外部リソースを活用することで,多言語対応を可能とする.本システムは14ヶ国語に対応した入力と,35ヶ国語に対応した出力が可能である.

デモ(21MB)

関西学院大学スカイセミナー(日本航空機内誌Skyward 2009年7月号)

共生型Webシステム

従来のWebは情報発信者がWebページを作成し,情報受信者がそれをWebブラウザで閲覧するといった一方向かつ受動的なメディアであった.Wikiやブログの出現に象徴されるように,近年のWebはより双方向性の高く,ユーザ同士が協調してコンテンツを作り上げる協創的なメディアとなりつつある.われわれはさらにコンテンツの生成にエージェントが加わる共生的なWebシステムの開発を目指している.

北村泰彦.人工知能と知識処理に関する研究最前線-Semantic Wiki,情報システムソサイエティ誌, 13(4):4-5, 2009.

KawaWiki: 人間とエージェントが協調するSemantic Wiki

KawaWikiは,Semantic Webを共通言語として人間ユーザとエージェントの協調を可能するWikiである.KawaWikiではコンテンツの自動更新,外部Web情報の自動挿入,コンテンツの整合性検証など,従来のWikiにはない機能を実現できる.

デモ(25MB)

Kensaku Kawamoto, Yasuhiko Kitamura, and Yuri Tijerino. KawaWiki: A Semantic Wiki Based on RDF Templates, Proceedings of the 2006 IEEE/WIC/ACM International Conference on Intelligent Agent Technology - Workshops, 425-432, 2006.
Kensaku Kawamoto, Motohiro Mase, Yasuhiko Kitamura, and Yuri Tijerino. Semantic Wiki Where Human and Agents Collaborate, Proceedings of the 2008 IEEE/WIC/ACM International Conference on Intelligent Agent Technology - Workshops, 147-151, 2008.

キャラクタエージェントによるWeb情報統合

Webはその急速な普及により現代社会を支えるインフラストラクチャの一つとなっている.その利用者はコンピュータの専門家だけではなく,子供や高齢者な どの初心者にまで広がっており,誰でも使えるユーザフレンドリーなWebインタフェースの開発は急務となっている.一方,Webシステムの課題の一つは関連する 情報が複数の情報源に分散して存在することであり,これらを連携させ,それぞれの付加価値を上げる情報統合技術が必要になる.われわれは擬人化キャラクタエージェントを用いたWeb情報統合インターフェースの開発を行っている.

Yasuhiko Kitamura. Web Information Integration Using Multiple Character Agents. Helmut Prendinger and Mitsuru Ishizuka (Eds.), Life-Like Characters: Tools, Affective Functions, and Applications, Springer-Verlag, 295-316, 2003.(Online Material)

Semantic Webに基づく対話エージェント

従来の対話型ホームページ案内システムでは,ホームページの内容が更新されると,それに応じてエージェントの返答もシステム開発者が手作業で更新する必要があった.本研究では,Semantic Web技術を用いることで対話エージェントがWebページの内容を理解し,返答を自動生成する対話型ホームページ案内システムを開発した.

デモ(30MB)

Mikako Kimura and Yasuhiko Kitamura. Embodied Conversational Agent Based on Semantic Web. Zhong-Zhi Shi and Ramakoti Sadananda (Eds.): Agent Computing and Multi-Agent Systems, Lecture Notes in Artificial Intelligence 4088, Berlin et al.: Springer-Verlag, 734-741, 2006.
Chie Akita, Motohiro Mase and Yasuhiko Kitamura. Natural Language Questions and Answers for RDF Information Resources, Journal of Advanced Computational Intelligence and Intelligent Informatics, 14(4):384-389, 2010.

協調型レシピ検索システムVenus&Mars(V&M)

V&Mでは専門知識をもった複数のエージェントが協調しながらユーザのレシピ検索を支援する.例えば,「風邪に効く料理はありますか」という質問に対して右側の健康エージェントは「風邪には豚肉が良い」と答え,それを聞いた中央のレシピエージェントは豚肉に関するレシピをインターネットより検索する.

デモ1(24MB) デモ2(23MB) デモ3(10MB)

北村泰彦,他.WWW情報統合のためのマルチキャラクタインタフェースとその評価,コンピュータソフトウェア,20(1):2-15, 2003.
Yasuhiko Kitamura, et al. Interactive Integration of Information Agents on the Web, Cooperative Information Agents V, Lecture Notes in Artificial Intelligence 2182, Springer-Verlag, 1-13, 2001.

競争型レストラン推薦システムRecommendation Battlers(RB)

RBでは異なる情報源から情報収集した複数のキャラクタが競争しながらユーザにレストラン推薦を行う.それぞれのエージェントは価格と近さの観点からユーザにレストランを推薦し,それに対するユーザの反応を基にユーザの好みを学習し,推薦戦略を変更する.

デモ(17MB)

阪本俊樹,北村泰彦,他.競争型情報推薦システムとその合理的推薦手法,電子情報通信学会論文誌D-I, J86-D-I(8):608-617, 2003.
Yasuhiko Kitamura, et al. A Competitive Information Recommendation System and Its Behavior. Cooperative Information Agents VI, Lecture Notes in Artificial Intelligence 2446, Springer-Verlag, 138-151, 2002. (System Innovation Award Paper)

3次元仮想空間上でのWeb情報統合システムVKSC(科研費基盤研究「三次元仮想空間上でのWeb情報統合に関する研究」,2005-2008)

3次元仮想空間として実現された神戸三田キャンパス(VKSC)内に関連するWeb情報を統合し,エージェントがユーザをガイドするシステムである.VKSCの様子やエージェントの行動はインターネット上の情報(天候,休日,研究室情報など)に応じて変化させることができる.

デモ(73MB)

Yasuhiko Kitamura, et al. Toward Web Information Integration on 3D Virtual Space. ICEC2005, Lecture Notes in Computer Science 3711, 445-455, 2005.
Yasuhiko Kitamura, et al. XML-based Markup Language for Web Information Integration in 3D Virtual Space, Proceedings of IAT2007 - Workshops, 2007.

Last Update: 2020/5/6