石浦 菜岐佐

1. gcc によるコンパイルの結果

C プログラムをコンパイルすると, どのようなコードが出ているが, 見てみます.

• 次のような C プログラムを test.c に保存します.

  #include <stdio.h> #define N 100 int main (void) { int i, s; s = 0; for (i=1; i<=N; i++) { s += i; } printf("sum(0..%d) = %d\n", N, s); return 0; }

• gcc -S test.c　でコンパイルします.

• test.s というファイルができています. TeraPad で中身を見てみましょう.
  X86 のアセンブラプログラムです.

• 次に, gcc -O1 -S test.c　でコンパイルし, test.s の中身を見てみましょう.
  最適化され, プログラムが簡単化されています.

• アセンブラプログラムは, 次にアセンブラで機械語に変換します.
  アセンブルは次のコマンドで行ないます.
  as -o test.o test.s

• test.o ができますが, 2進データなので中身を直接見ることはできません.
  objdump -D test.o
  で, その16進表現と元のアセンブラプログラムが表示できます.

• 最後に, 入出力や OS とのやり取り等をする様々なプログラムと結合 (リンク) して, 実行可能なプログラム a.exe ができあがります.
  ld -o a.exe /lib/crt0.o test.o -lc -lkernel32
  ./a.exe

2. #define と #include

• test.c に下線をつけた 1 行を書き換えて下さい. (<aaa.h>ではなく "aaa.h" です)

  #include "aaa.h" #define N 100 int main (void) { int i, s; s = 0; for (i=1; i<=N; i++) { s += i; } printf("sum(0..%d) = %d\n", N, s); return 0; }

  次のようなファイルを作り, aaa.h に保存します.

  int max(int, int);

• test.c を次のコマンドでコンパイルすると, #define がどのように処理されるかわかります.
  cpp test.c　　(または gcc -E test.c)
  N が 100 に書き換えられています.
  cpp は C のプリプロセッサ (前処理系) と言います.
  gcc は cpp を呼び出して, コンパイルの本処理前の前に, 簡単な「下ごしらえ」を行ないます.

• cpp test.c　 を実行します.
  ファイル aaa.h が test.c に取り込まれています.
  通常, ????.h には, 変数や定数の宣言や関数のプロトタイプ宣言を書いておき,
  それらを使用するプログラムから include します.

• #include "aaa.h" のように " " で囲って書いた場合には,
  ????.h は同じディレクトリ (フォルダ) から探します.
  #include <stdio.h> のように < > で囲って書いた場合には,
  別な場所から探します.
  Cygwin で,
  cd /usr/include
  ls
  とコマンド入力すると, それらのファイルが見つかります.
  less limits.h
  や
  less stdio.h
  の中身を見ることができます. これだけでもかなり長いです.